【世界は頭の中にある】『地球最後のゾンビ』著:鳩見すた【サクッと紹介】
作品紹介補足
第21回電撃小説大賞の「大賞」受賞作『ひとつ海のパラアテナ』の鳩見先生の中編小説『地球最後のゾンビ』の紹介です。タイトルに「ゾンビ」が入ってるのでパニックホラー的なのをイメージしていましたが、この作品のメインテーマは「旅」ですね。たぶん。雰囲気が凄くいい作品です。
読みどころ①終末期の雰囲気
この作品の一番の魅力は本編通して漂う”空気感”ですね。ゾンビに文明を破壊されお通夜状態の世界の雰囲気にいい感じに浸れます。ただ、これだけだと読んでるこっちまで気が滅入ってきますが、元気過ぎるゾンビ少女エコちゃんのおかげで暗くなりすぎず、たまにギャグも挟んでくれたりしていい塩梅で最後まで読めます。
読みどころ②約束されたBADEND(ネタバレ注意)
物語の本筋はゾンビ少女のエコちゃんが完全にゾンビになって自我を失う前に「死ぬまでにやりたい10こと」を旅しながら実行するというもので・・・。主人公とヒロイン二人そろってのHAPPYENDは迎えられない物語です。「ヒロインの死」はお涙頂戴作品の常套手段で「おら、泣き所だぞ。泣けよ。」ってシーンになるとイラッとするですが、この作品はそんなことなくいい気分のまま本を閉じることができました。
まとめ
以上『地球最後のゾンビ』の紹介でした。なんか上手くこの作品の魅力を言語化できませんでしたが、とりあえずエコちゃんが超絶カワイイからみんな読もうね!
終わった世界で精一杯青春するゾンビ少女の旅を楽しんでください。
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