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【ダメ人間デパート】『我もまたアルカディアにあり』著:江波光則【サクッと紹介】

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作品紹介補足

●江波光則先生の他作品

「学園シリーズ」全3作(ガガガ文庫

「葬式シリーズ」全3作(ガガガ文庫

「魔術師スカンクシリーズ」全3作(ガガガ文庫

ボーパルバニー』全2巻(ガガガ文庫

『屈折する星屑』(ハヤカワ文庫)

 

アルカディアとは?

「理想郷」のことです。「ユートピア」の方がピンとくる人が多いかもしれませんがアルカディア的理想郷とユートピア的理想郷では若干違うようです。ややこしい3つの言葉の意味を簡単にまとめてみました。

アルカディア自由主義・牧歌的な理想郷。実際に存在する地名。

ユートピア:反人間的な管理社会な一面を持つ理想郷。架空の国。

ディストピア:市民!幸福は義務です!ZAP!ZAP!ZAP!

 

読みどころ①ダメ人間だがカッコいい生き様

まず誤解のないように言っておきますが『我もまたアルカディアにあり』のダメ人間たちは、「意志が弱く楽な方に流される社会的不適合者」ではないです。むしろ逆で「意志が強すぎて常人じゃ理解できない社会的不適合者」なのがこの作品のダメ人間たちです。「意志が強い」と聞くとなんだかまるで少年ジャンプの主人公たちをイメージしちゃうかもしれませんがコイツらは違うんです。貫き通す意志が美しくない!偏屈で歪んだ毒々しい意志で自分の身体と心を蝕んでいく。どうしようもないダメ人間たちなんですが僕はそこに人間の美しさやカッコよさを感じずにはいられなかった。そしてなにより羨ましかった・・・。

 

とまぁ、ここまで長々と僕の感想を垂れ流してきましたが、この作品は読む人によって感想が大きく変わると思います。僕の様にカッコよく見えたり、ただただ気持ち悪かったり、ただのドM集団じゃねぇか!とツッコンだりと十人十色な感情が芽生える作品だと思います。自分にはどんな感情が生まれるか、是非この作品を読んで感情ガチャをしていただきたい。

 

読みどころ②ドライな文章から生まれる湿った感情

文章の話をしましょう。僕は素人なので文章について語らないようにしてました。だがしかし!僕は江波先生の文章が大好きなんです!語らずにはいられないっ!!※個人的な感想なのであまり間に受けないでね。

 

江波先生の文章はなんといいますか・・・乾いているんですよ。描写の説明が最小限で非常にシンプルなんです。だけど湿ってるんです。読み進めれば読み進めるほどジメジメとしてきます。それは登場人物たちの湿度の高い内側っだったり物理的に肉々しい描写だったりと理由は様々なんですが、ドライな文体から湿った臭いがするんです。このまるで外はパリパリ中はトロトロな肉汁たっぷりなハンバーグみたいな文章が僕は大好きです。江波先生の得意な「アウトレイジな青春」(勝手にそうジャンル付けしてます)にこのハンバーグがかなり合うんです。おいしい。『我もまたアルカディアにあり』は江波先生初のSF作品で毛色の違う作品ですがこの作品にも江波先生お手製ハンバーグがマッチしてます。お腹空いてきた。まだ江波作品を読んだことない方には味わっていただきたいです。

 

まとめ

以上、『我もまたアルカディアにあり』の紹介でした。この作品は小説なので食べないでください。一応注意喚起しておきますね。ここまで書いて気が付いたんですがなんか「スッゲェ暗い小説」みたいな紹介になってますね。そんなことないです!全然鬱小説でもなければ後味の悪いお先真っ暗な作品でもないです。真昼の路地裏のような薄暗い作品です。だからみんなも楽しもうね!!

 

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前回のサクッと紹介

gromaxex.hatenablog.com

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